江波の漕伝馬

はじめに

広島市中区江波に伝わる「江波の漕ぎ伝馬」は、広島市指定重要文化財であり、水産庁の「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財百選」にも選ばれた伝統的な木造船です。その歴史は古く、江戸時代には既に存在していたと考えられています。

発祥の由来

漕ぎ伝馬の発祥には諸説ありますが、有力な説として、元禄14年(1701年)の厳島神社管絃祭における出来事が挙げられます。管絃祭の帰路、御座船が暴風雨に見舞われ転覆の危機に瀕した際、江波の伝馬船と呉市阿賀の鯛網船が救助にあたったことがきっかけとされています。この功績に対し、感謝の意を表すため、管絃祭の前日に江波の漕ぎ伝馬が本川を遡り、救助された側の屋敷の前で船を3回廻すようになったという伝承が残っています。

これまでの活動

江波の漕ぎ伝馬は、長年にわたり厳島神社管絃祭において重要な役割を果たしてきました。御座船を曳航する役割を担い、祭りの成功に貢献してきました。また、その勇壮で華麗な姿は、多くの人々を魅了し、江波の伝統文化として地域に根付いてきました。

現在の活動

現在も江波の漕ぎ伝馬は、毎年旧暦6月17日に行われる厳島神社管絃祭で御座船を曳航する役割を担っています。祭りの前日には、伝統に従い本川を遡り、かつて救助された側の屋敷跡で船を3回廻す儀式も行われています。


また、管絃祭以外にも、地域のお祭りやイベントに参加し、その雄姿を披露しています。さらに、保存会が中心となり、後継者の育成や船の維持管理にも積極的に取り組んでいます。

まとめ

江波の漕ぎ伝馬は、厳島神社管絃祭との深い関わりの中で発展してきた伝統文化です。その歴史は、地域の人々の努力と情熱によって支えられてきました。現在も、保存会や地域住民の協力のもと、その伝統は脈々と受け継がれています。
現代においても、江波の漕ぎ伝馬は、地域にとって重要な文化遺産であり、観光資源としても注目されています。今後も、その勇壮で美しい姿を多くの人々に伝え、地域の魅力を発信していく役割を担っていくことでしょう。

2024年7月22日(月)の厳島神社管絃祭 江波漕ぎ伝馬の動き

8:00 江波漕ぎ伝馬は江波港を出発
11:00 江波漕ぎ伝馬は厳島神社本殿にて、安全祈願
11:30 江波漕ぎ伝馬一同は本殿前にて記念撮影
12:30 江波漕ぎ伝馬一同は岡に上がって休憩、役員は羽織袴に着替え。
15:30 江波漕ぎ伝馬は沖の親船横でスタンバイ
16:00: 御本殿出御 御鳳輦が御本殿を出発し、大鳥居沖に停泊している御座船へと向かう。 大鳥居前の儀 御座船にて、管絃祭の安全を祈願する神事が執り行われる。
17:00 江波漕ぎ伝馬が御座船を曳航して大鳥居前を出発 阿賀のお漕船と合流して地御前へ向かう。
18:00 御座船と阿賀のお漕船は火立岩沖で停泊。
18:20 江波漕ぎ伝馬は地御前へ上陸、地御前神社で江波音頭を奉納。
19:20 阿賀のお漕船が御座船を曳航して対岸の地御前神社に到着、 祭典と管絃の奉奏が行われる。
20:40 江波漕ぎ伝馬と阿賀のお漕船が御座船を曳航して宮島の長浜神社に到着、 祭典と管絃の奉奏が行われる。
21:30 江波漕ぎ伝馬と阿賀のお漕船が御座船を曳航して宮島の大元神社に到着、 祭典と管絃の奉奏が行われる。
22:10 江波漕ぎ伝馬と阿賀のお漕船が御座船を曳航して宮島の火焼前(ひたさき)に到着、 御神火が採火されました。その後、御座船は厳島神社へと戻る。
23:00頃 御座船が厳島神社に到着し、御鳳輦が御本殿へと戻される。 これにて、管絃祭は終了となる。


2024年7月22日(月)管絃祭当日 午前8時~

下記ページも参考にさせていただきました。
https://www.miyajima.or.jp/event/event_kangen.html

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